第2章 桐皇学園高校
ストリートで大人の男相手に
暴れ回ったさやは
緑間に自宅アパートまで送って貰い
アパートの事は誰にも言わない約束をして
家に帰った。
「あー、疲れた」
ベットへ思わずダイブする。
試合にストリートで走り回った体は悲鳴を上げている。
が、どこか心地よい痛みだった。
楽しかった。
ブーブー -------
"大輝"
「大輝……。」
何度も見た着信
思わず携帯に手を伸ばす。
緑間に会った事で少し気が緩んでいたのかもしれないし
緑間の寂しがりようをみて
青峰が心配になったのかもしれない。
なんとなく
その電話をとってしまった。
「……はい。」
「っ!さや!!
おまっなんで今迄電話に出なかった!?
今どこで、なにしてんだよっ……」
「…ごめんなさい。
電話、いままで出なくて…」
出ると思ってなかったのか
青峰凄く驚いた様子で
さやも何故出てしまったのかと悔やんだ。
青峰は胸の奥が苦しくなる様な声で
さやの名前を呼んだ。
今すぐ青峰に会いたい。
会えない。
会っては行けない。
「(こんな事初めて。
こんなに会いたいのも、会ってはいけないのも)」
「さや……会いてえ…
会いてえよ…
俺に…飽きたか?
俺なんかしちまったか…?」
「そんな事、ない…
大輝、好きよ。今あなたに凄く会いたい…」
電話越しの声が鼻声だ。
1番付き合いの長い青峰。
子供っぽくて、寂しがり屋で
嫉妬させ過ぎたり、構わなかったりすると
今みたいに泣いていた。
「…今どこにいんだよ」
「だめ。」
「なんでだよっ…
俺の傍にいろよさや…」
「また泣いているのね?」
「泣いてねえよ…」
「大好き、だよ大輝」
うるせえうるせえ
そんな事言うな。
そんな言葉で俺を縛り付けるな
くそっ
悔しい。
結局俺はこいつが
「…っ。
さや、愛してる…」