第2章 桐皇学園高校
「寂しかった?」
「ああ…。」
「私の事、好き?」
「もちろんなのだよ。」
「…ちゃんと言葉にして。」
さやが緑間の目を見つめる。
意思の強い、底がしれない美しい瞳。
この目だ。
この目が俺を惹き付けてやまない。
強い光の中に一抹の陰りが霞む時
俺はたまらなくさやを甘やかしたくなってしまうのだよ
「さや、好きだ。
俺の全てはお前のものなのだよ。」
そっとキスを落とす。
その陰りが消え、また自分を愛してくれるように。
何度も何度も緑間は愛の言葉を囁き
キスの雨を降らせる。
「真太郎…ありがとう。
私もあなたが好き。全て受け入れるわ…。」
止まないキスを私からももう一度。
飽き性で、貴方達を困らせてばかりの私に
少しでも私の愛が伝わればいいと
心からの愛しさと贖罪を乗せて
「さや…何故会おうとしなかったのだよ」
2人の熱が収まり、ストバスに行くと言う
さやに付き添う緑間
繋がれた手から伝わる温かさは
キスの合間に感じたそれとは違いさやを安心させる。
「それは…そうね
バスケに集中していたから、かな」
「…他の男に会っていた訳ではないのだな?」
「ふふっ真太郎がやきもち?
安心して。私が気に入る人なんてそうそういないわ」
「(今はまだ。と言った具合か…)」
少し楽しそうな顔をするさやに緑間は
赤いバンダナをぎゅっと握り締めた。