• テキストサイズ

リンゴ

第2章 桐皇学園高校














「全員、集合」




久しぶりに練習に顔を出した監督が
ストレッチをしていたさや達に声をかけた

全員駆け足で監督の前に集合する。



「1週間後、練習試合を行います
その為、これからスタメンの発表をします」



部員達がざわめく。

監督にちらりと目をやると
わかっているよとでも言うよに視線を合わせた。




「では発表します

PG 今吉翔一
SF 紅林さや
PF 諏佐佳典
SG 桜井良
C 若松孝輔

以上。質問のあるものはいますか」





スタメンの内容に
先程よりもざわざわとざわめく部員達。

皆、青峰が入っていない事を
疑問に思っている様だ。


(私がいなくても大輝は来ない
"練習試合"なんかには…。)



「監督!何故青峰は入っていないんでしょうか!
青峰は練習こそ来ませんが
体力のつかない紅林より
青峰の方がまだましだと思いますが!」



しびれを切らした若松が監督に詰め寄る。

理由はもっともだ。
他の部員も納得した様に頷く。



「青峰は練習には来ません
それが練習試合であっても同じ事です」


「はあああっ!?」


「それを踏まえた上で紅林が適任だと判断しました

もう1つ言うのであれば
お前達は紅林をなめすぎだ。」



監督の鋭い視線がピリリとした緊張感を生む。

ぼそぼそ話していた部員達も
黙り込むしか選択肢はなかった。



「これ以上紅林についての意見は認めません
練習試合と言えども負ける事は許されない
桐皇の勝利の為、直ちに練習に戻る様に。」


「「「はいっ」」」


若松は納得がいかないような顔をしていたが
今吉が声をかけ、落ち着かせていた。

ふと若松がこちらを睨んだ。
今吉を振り切りずんずんとさやの方へ歩いてくる。



「…なんですか?」


「紅林ぃ…お前ストレッチがまだだったよなあ
今日は俺と組め。
徹底にしごいてやらあ!!」


若松はどうやらさやで
鬱憤ばらしをする事に決めたらしい。





/ 167ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp