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リンゴ

第2章 桐皇学園高校








数日後 ----------




本格的に1年生が入り、練習も熱が上がってきた。



さやは授業中
まったく別の事で頭を悩ませていた。




青峰大輝と桃井さつき




2人が同じ高校に入った事はもちろん知っていた。

だからこそ今までは上手く避けていた訳で。


一応女だとバレれてはいけないのが監督との約束
男子バスケ部にいる半年の間は
2人を避けて上手くやるしかない…。



青峰に関してはほとんど練習に来ないため
あまり気にする必要も無い。


初日に来て顔合わせをして以来

まったくと言っていい程体育館に来ていない。




だが、
もし顔を合わせれば1発でバレれる自信がある



「(大輝に会う訳にも行かないけど

1番の問題は桃井よ。

名前も顔も私は変えていない。
いくら男子生徒でいるとして
桃井が本気で私を探し出したらすぐにバレてしまう)」



監督も青峰や桃井とは
なるべく接触させないように上手くさやを誘導してくれていた。


今の所1度も2人とは顔を合わせていない。







*********






青峰side





「クソっ!今日も出ねえ!」



携帯から耳を離すと
少し乱雑に遠くにほおり投げた。

カラカラと遠くまで滑り、屋上の端で止まる。


イラついてイラついてしょうがない。


この怒りの原因はさやだ。

高校に入学してからというもの
何度電話をかけても、メッセージを送っても

返事がない。



ついに飽きられたのか…

それとも高校でなにかあって
連絡出来ないのか…





もし、もしさやが…



俺に飽きたとして…




飽きられたからと言って
このまま黙って居なくなられるのだけはごめんだ。




「なんでだよさや…」




俺が何かしたのか…





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