第2章 桐皇学園高校
数日後 ----------
本格的に1年生が入り、練習も熱が上がってきた。
さやは授業中
まったく別の事で頭を悩ませていた。
青峰大輝と桃井さつき
2人が同じ高校に入った事はもちろん知っていた。
だからこそ今までは上手く避けていた訳で。
一応女だとバレれてはいけないのが監督との約束
男子バスケ部にいる半年の間は
2人を避けて上手くやるしかない…。
青峰に関してはほとんど練習に来ないため
あまり気にする必要も無い。
初日に来て顔合わせをして以来
まったくと言っていい程体育館に来ていない。
だが、
もし顔を合わせれば1発でバレれる自信がある
「(大輝に会う訳にも行かないけど
1番の問題は桃井よ。
名前も顔も私は変えていない。
いくら男子生徒でいるとして
桃井が本気で私を探し出したらすぐにバレてしまう)」
監督も青峰や桃井とは
なるべく接触させないように上手くさやを誘導してくれていた。
今の所1度も2人とは顔を合わせていない。
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青峰side
「クソっ!今日も出ねえ!」
携帯から耳を離すと
少し乱雑に遠くにほおり投げた。
カラカラと遠くまで滑り、屋上の端で止まる。
イラついてイラついてしょうがない。
この怒りの原因はさやだ。
高校に入学してからというもの
何度電話をかけても、メッセージを送っても
返事がない。
ついに飽きられたのか…
それとも高校でなにかあって
連絡出来ないのか…
もし、もしさやが…
俺に飽きたとして…
飽きられたからと言って
このまま黙って居なくなられるのだけはごめんだ。
「なんでだよさや…」
俺が何かしたのか…