• テキストサイズ

リンゴ

第13章 試合と青峰大輝






「(そんな…こんな、ふざけた…)」


「ぐっ…!」



飛び上がった火神が勢いよく着地する

怪我をした足が本調子じゃないのか
歯を食いしばって痛みに耐えていた


黒子はさやから目を離せない


強くて美しい

だからこの人を好きになったのだ


(僕では、ダメなんですね
駒にすらなれない僕には貴女は変えられない…)



「それでもっ!まだ試合は終わってません
勝つ可能性が1%でもある限り

僕は戦う!」



ビーッ



「誠凛メンバーチェンジです!」



ブザーが鳴り審判が交代を知らせる

どうやら火神が交代のようだ
監督に抗議しているが、引っ込んでいった


(右足、かしら…
さっきディフェンスに飛んだ時
凄い高さだった

一瞬止められるかと思った程に


ん…あれは…)



火神の奥に何か見つけたさや

ディフェンスに走りながらにやりと笑う


第2クオーター 残り約1分

60対30



「大輝も来たし、ラストね」



リバウンドを取った若松に軽く手を上げる

若松のうるさい掛け声が響き
さやの手元にボールが渡る

ゆっくりドリブルをし、自陣ゴールに向かう


日向が走り追いついてくる



「舐めてんじゃねぇ!シバくぞ!」


「速攻とか普通に決めても面白くないでしょう

止めてみます?順平さんっ」



シュートモーションに入るさや

絶対止めるとばかりに飛び上がる日向


さやは笑うと
ボールを下げ、日向の股下目掛けて投げた



「パスっ…!?」


「ふふっ違うわよ。…シュート」



クルクルと回ったボールは
日向の股下で跳ね、回転を保ったまま

ネットをくぐっていった


ビーッ



2点追加点が入り
そのまま審判が交代を知らせる



「行ってこい!」


「うっす!」



「そうそう張り切ってくれよ?
少しでも俺を楽しませれるようによぉ」



意気込んだ火神の後ろから
肩を組みそう言うのは ---------待ちに待った青峰大輝








/ 167ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp