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リンゴ

第13章 試合と青峰大輝









「(さやちゃんがいなくても
十分強いチーム…何故そこまでさやちゃんに拘るの?

確かに強い…けど
キセキの世代ほどかと言われると…)」



「うふふ…さやちゃんは負けませんよ

これからじゃないですか」



さやを観察するリコを見て桃井は笑った

さやが強いのはスイッチが入った瞬間


クラッチタイムに入ったさやは
キセキの世代をも超える



「さやちゃんはもう体が出来上がってる

才能に耐えられなくて負傷、退場
…なんてありませんからね」



桃井がそう呟いた瞬間

通り過ぎるさやと目が合った

さやは妖しげに笑う。いつもより愉しげに


見たものを全て魅了する

その笑みが、私達の勝ちの合図



「何してるのよ翔一
後でお仕置きね」


「(来たでっ…さやのクラッチタイム!)

すまんの、勘弁してくれや」


「すいません!すいません!」


「良、もう貴方の出番ないわ

ここからは私のお楽しみの時間よ」



空気が、変わった


さやから発せられる



甘い匂い


規則的な呼吸


美しい四肢が


男達を掻き回し、翻弄する



さやは今吉からボールを貰うと
ゆっくりとドリブルをうつ


全てを蹴散らし全てを使う


その姿は、まさしく女帝



「(来やがったな…一体何が…っ!)」



弧を描くように笑うさや

その顔は

いつもの笑みとは違う


抗う事も許さない
全てが跪いてしまう、笑み



「私に酔ってる場合じゃないわよ」


「あ……」



目を奪われていた

その瞬間さやはシュートモーションに入る


綺麗なその手で

ボールをしっかりと掴み

柔らかいフォームでボールを放る



「ごめんね
私、ハーフコートからなら打てるの…3P」



ピーッ



得点が入った事を知らせるブザーが鳴り
会場をざわつかせた

あんな小さな選手が

あんな遠いところからシュートを決めた


会場のムードは一気に桐皇へ変わっていった




「さあ、次は何して遊ぶ?」








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