第13章 試合と青峰大輝
そのまま試合は少し流れ
点が取れない訳でもないが
それ以上の点差で、突き放されていく
青峰がいないこの状況で、この点差
第1クオーター 残り5分
11対21
「(っ…まだ第1クオーターだぞっ…
一体1人で何点入れれば気が済むんだっ…)」
桐皇の攻撃
21点ともさや1人でとっていた
火神がディフェンスにつく
早さにも少し慣れてきたのか
段々と追いつけるようになってきた
「あー、疲れた
もういいや。良、打て」
「っはい!すいません!」
さやは投げ捨てるように桜井にパスを出す
今まで自分のプレーの中継役としてしか
パスを出さなかったのをシュートを打たせた
いきなりのパターンに戸惑った日向は
ディフェンスが1歩追いつかず
桜井のクイックシュートが綺麗に決まる
「んだよもうへばったのか!」
「うるさいわよ大我
集中してるの、話しかけないで」
勝負を投げたさやを
鼻で笑って見下ろすと
その表情に疲れや諦めなど微塵もなく
寧ろ今まで以上の気迫でボールを見つめていた
ゾクっ…!
「(なんだこの感じ…やべえ匂いが、する…)」
「翔一、しばらく頼むわ」
「…わかったわ、まあ安心しててや」
始まった…
クラッチタイムに入る時の前兆だ
自分に集中する為に
一旦ほとんどのプレーが出来なくなる
今吉にそう告げたNAME1#は
おざなりに火神のディフェンスについた
(集中…集中…)
私に勝てる者などいない
今吉がダブルクラッチでシュートを決める
女帝紅林 に敗北はない
すかさず速攻火神がダンクを決める
今この時、私が楽しむ事が全て
黒子のスティールでまたもや速攻を食らう
さあ
お遊びの時間よ
「あかんっ!走れ!
さやに殺されるで!」
「ひぃー!すいませんすいません!」
駆け抜けるように走る桐皇
さやが抜けた途端
桐皇は個人技主体でガンガン攻める
が、火がついてきた誠凛を
実質4人で抑えるのは厳しかった