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リンゴ

第12章 黒子テツヤと試合







試合が始まる --------




私が公式戦に出られるのは


これ、1回だけ



(本当は赤司との対戦にとっておきたかったのだけれど)






私を変えると言ったその目が



希望を秘めてキラキラと輝いていたから




全てを壊してしまっても






今は私は貴方と戦いたい ------ テツヤ









「おー!来た来たぁー!」


「誠凛と桐皇学園!!」




ワーッと会場が盛り上がって行く



怒涛の快進撃を続ける誠凛


各地からメンツを揃え、強豪となした桐皇学園



その風格は堂々たるものだった

さやは歓声を身体いっぱいに浴びながら

心がスーッと落ち着いていくのをのを感じた



ここは男子バスケ

それでも
"女帝紅林"に負けは許されない



ベンチに荷物を置いて
アップに取り掛かる為ジャージを脱ぐ



「貰います」


「ああ…ありがとう」



さやに当てられたままの部員が
すかさずさやのジャージを受け取る

さやは特に気にした様子もなく
アップに向かっていった


今吉はそれを見て苦笑いを零す


(あの顔はやばいていっつも思っとったが…

今日は段違いや
声も表情も、雰囲気ですら…人を惹き付けてやまない)



さやにこれ以上変な虫がつかんようにしんと

そう決めた今吉はさやの後を追うように
コートへ足を踏み出していった




「青峰はまだ来てねえみたいだな…」



背中越しに火神の声が聞こえた

背を向けて練習しているせいか
誠凛のメンバーにはまださやの存在は気付かれていないようだ


さやの放ったボールが、ネットに吸い込まれ

落ちたボールがさやの足元を過ぎて

後ろへ転がっていった


ボールを拾おうとしないさやに
丁度後ろにいた若松が青筋浮かべながら
それを拾った








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