第12章 黒子テツヤと試合
「だめっ…んっ…学校!…っぁ」
「終わったら行くって
…ちゃんと約束も守るからよ
今は…俺だけ感じてろ」
「あっ…大輝ぃっ…ぁっ…!」
青峰に甘く溶かされてさやは
もう一度熱い夢の中へ
*
散々弄ばれ気付いた時には
とっくに朝練の時間を過ぎていた
朝食も出さないまま
半裸の青峰をアパートから叩き出し
さやは急いで準備をし、学校へ向かった
授業はイライラしながらも
いつも通り難なくこなし
遂に、試合が始まる
(大輝は言う通りしてるからしら
あれだけしてあげて
ご褒美も用意したのだから
ちゃんと言う事守ってくれなきゃ困るわ)
さやはにやりと笑いながら
ガヤガヤと賑わう会場へ入っていった
「えぇっ!?青峰くんが来てない!?」
「さっきから何回かけても出えへんのや」
「すいません!すいません!」
さやが控え室へ着くと
中から桃井の叫び声が聞こえた
さやは青峰がちゃんと約束を守った事に
微笑みながら、控え室のドアを開けた
「大輝なら遅刻」
「…さや!?」
「さや!?」
「紅林!?」
桃井はいきなりのさやの登場に
驚きを隠せないようで
目を見開きさやを見つめていた
(どうしてさやがここに…?
情報と違う…
だってさやはっ…
それにさやだけど声がまるで別人…
一体これはどう言う事なの?)
今吉、若松もいつもは公式戦には
顔を出しもしないさやが
既に桐皇のユニフォームを来ている事に
唖然としている
他の部員もざわざわと驚き囁いている
「この前ぶりだな桃井
さっき大輝に連絡したら寝起きみたいで
もしかしたらまた眠ってしまったかもしれない
桃井からもかけてもらえるかな?」
「え?…ああ、うん…わかった…
っ後で話聞かせてね!」
桃井はそう言い残すと
控え室から飛び出して行った
何処までが予想外だったのか
訳が分からないと言った顔をしている桃井に
さやは苦笑いを零す