第12章 黒子テツヤと試合
「テツヤぁっ…あぁっ…んはぁっ…あっあっ…」
「さやさんっ…キツ…いですっ…!」
「ぁぁっ!…も、いっちゃ…!」
抱き抱えられるようにして揺らされる体
ゆらゆらと波が立ち
黒子が突くたびに水が揺れる
さっき黒子に弄られたのがきいているのか
さやは早くも最高潮をむかえようとしていた
声を我慢するようにさやから重ねられる唇
「いいですよ…っ…僕でイってください」
「あぁあっ…んあっ…あぁあぁっ!」
きゅうきゅうと締め付ける中が
黒子をも絶頂に導きそうになる
ぐっと耐えると
さやの蕩けそうな顔が目に入る
妖しく笑う顔はもうない
緩みきった表情は黒子の体をぞくりと震わせた
プールの匂いの中から
むわっと香るさやの強い甘い匂い
華奢な肩に大きな胸が揺れて
熱い声で"テツヤぁっ…"なんて囁かれれば
止められない
深みにはまっていく
「もう、…出ますっ…んっ…はっ」
「いい、よっ…ぁぁっ…だしてぇっ…ああっ」
「くっ…!」
「ああっ!」
欲望を薄い膜越しに吐き出す
この瞬間
さやが自分の色に染まっていく気がして
どうしようもなく、幸福を感じてしまう
ぐったりとへたりこむさやに軽くキスをして
目にかかる長い髪をそっと耳にかける
まだ息が整わないのか
頬を上気させながらさやはふにゃりと笑った
「さやさん…」
「ん…なぁに?」
好きです
ずっと
ずっと前から貴女の事が
貼り付けたような妖しい笑みじゃなくて
好きな人にだけたまに向ける
その可愛らしい笑顔が
たまらなく好きなんです
(結局僕も皆と変わらない
この人に惹き付けられてやまない
ただの男だ…)
「…なんでもありません」
「そう…」
好きの代わりに強く強く抱き締めた