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リンゴ

第11章 過去とプール練







黒子がしゅんとした様子で
バニラシェイクをすする

黒子の事を考えればまずい言い方だったかもしれない


さやは黒子の手をそっと握った

黒子は驚いて体を震わせ
さやの小さな手を見つめた


冷たい手がさやの小さな温もりで暖められていく


(暖かい…
小さくて僕らとは違う細い指…

ダメだっ…考えるな
さやさんは青峰くんの恋人、ですから…)



「テツヤごめんなさい
私、あなたの気持ち考えずに話してしまったわ…

私も大輝には笑っていて欲しい
これは本当よ?」


「っ…はい。あ、りがとうございます
慰めてくれたんですよね?」



さやの手を見つめ俯く黒子

今顔を上げたら自分の気持ちがわかってしまう

黒子の顔はそれ程までに赤く染まっていた



(あ、耳…赤い…
テツヤあなた私の事が…)



気付いてしまった

気付かなくてもいい事に


黒子は知らないだろう
私がどれだけゲスで汚れていて卑怯か




それから紫原、赤司と順番に恋人が増えていくと共に

黒子との距離が離れていった


いつも心配そうにさやを見つめる黒子

黒子のその綺麗な目で見つめられると
心の奥底まで見透かされるようで怖かった












「変わりますか?」



黒子の声でさやはハッとして
思い出の中から戻ってくる

桃井は黒子の言葉に驚き、見つめている



「青峰君を止めたら」


「え!?でも…」


「青峰君の強さは知ってます
けど僕1人で戦う訳じゃないですから」



黒子の真剣な表情に桃井は言葉を失う

それがどれだけ難しい事が
元相棒の黒子が1番わかっているはずだから

さやは黒子の表情を見つめた

突拍子もないが
黒子の真剣で無垢な想い


(私はこの目を好きになったのよ)



「桃井さん、約束します
青峰くんに勝つと」


「……うん」








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