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リンゴ

第11章 過去とプール練







黒子と初めて会った時は


紫原に連れられて体育館に行った時だった


本当にあの時は黒子の存在を気にかけている余裕はなく

初めて話したのは
付き合い出した青峰に連れられて居残り練をしている
体育館に来た時だった



「テツー、いるかー?」


「大輝、歩くのが早いわよ」



楽しそうに黒子の話をするもんだから

どんな奴かと付き合ってみたが
ガラリと開けた体育館には誰も見当たらなかった

電気だけはついているし
さっきまで確かにバスケの音がしていたのに



「誰もいないじゃない」


「いますよ」



「うおっ!」

「っ……!」



青峰の右側から声がしてビクッとしながら
覗き込むと、影の薄そうな男の子がいた

このやり取りはもういつもの事らしく
青峰は驚きはしたもののすぐに笑みを浮かべ楽しそうに話していた


(何この子。
全然バスケ出来そうにないし、影薄いし

まあ大輝の友達だもの、私には関係ないけど)



「青峰くんの彼女さん、ですよね?」


「え、ああ…そうよ」


「青峰くんからいつも話は聞いています
黒子テツヤです」


「なっ!おい言うなテツ!」



青峰は顔を真っ赤にしながら
黒子の肩を掴み大きく揺さぶる

どうやら本当に話をしているらしい


(大輝、可愛い)


「初めまして、紅林さやよ
よろしくね」




*****





それから段々3人で過ごす事も増えてきて

黒子とさやは
今まで全然気づかなかったが同じクラスと言うこともあり

黒子の相談を受けたり
2人で過ごしたりするようにもなってきた



青峰が変わり始めたのを気にかける黒子

その相談も聞きながら
さやは青峰の開花に心躍らせていた



「どうやったら青峰くんは
前の青峰くんに戻ってくれるんでしょうか」


「誰だって変わっていくものよ
弱くなっている訳じゃないのだから
そんなに気にする事なの?」


「…僕はただ、また笑ってバスケをして欲しいんです…」





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