第2章 桐皇学園高校
「紅林さやです。
今日からバスケ部でお世話になります。
体育館先に使ってしまいすみませんでした。
よろしくお願いします。」
さやはボールを小脇に抱え
すっと頭を下げた。
従順な姿勢に
2人の警戒心もいくらか解けたように見えた。
「あれ、1年か?
1年は明日からのはずだが」
「監督から許可を頂いてます。」
「あーなんか聞いとった気もするわ
ほんじゃまあよろしく頼んますわ
ワシが今吉翔一。
ポジションはPG、一応主将や」
「……若松孝輔、センター」
「諏佐佳典、3年、ポジションはPFだ
よろしく」
この人達がとりあえずのスタメンか
後から入ってくる部員とは雰囲気が違う
またぺこりと頭をさげ
まずは柔軟、筋トレから始めるとの事なので
ロッカールームまで案内してもらう事になった。
「ここがロッカールームや
まあ空いてるところ適当に使ってくれてかまへんから
すぐ着替えちゃってくれや」
「ありがとうございます」
今吉に促され
1番奥の空いていたロッカーを使わせて貰う事になった
一軍全員が部屋に入ると
広く見えたロッカールームも途端に狭く感じる。
各々着替え始めたので
さやも特に気にする事なく
自分のロッカーに鞄を詰めた。
そしてサッとシャツを脱ぐと
親切にも中に掛けてあったハンガーにシャツを通した。
「なんや下に練習着着とったんか
やる気満々やなー」
さやの隣のロッカーを開け
着替えながらこちらを覗く今吉。
ちらっと視線を移すと
程よく筋肉のついた体が目に入った。
「ええ。早く試合に出られるよう
頑張っていきたいです。」
さやはパンツを脱ぎ
バッシュも履き直すと気合を入れ直す様に
ぎゅっと紐をきつくしめた
「はははっええこっちゃで。
じゃあまあ始めよか」
「「「はいっ」」」