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リンゴ

第2章 桐皇学園高校








「…おいっ紅林?聞いてる?」


「ん?ああごめん
何か言ったか?」


「なんだよどうしたんだよー
だから部活入んのかって話!
もし決まってねーなら、一緒にサッカーどうよ?」



女の子にもモテるかもよと
にたにた笑うその感じはまさに男子高校生だ

さやはフッと笑いかけると
そのクラスメイトに乗っかる様に



「この学校でそれを狙うなら
バスケ部だろ。結構強いらしいじゃん。

それに悪い。
俺、バスケのスポーツ推薦なんだ。」


「なーんだお前と一緒にやったら
楽しそうだったのにな!
じゃあ俺サッカー部の見学行くから!

また明日なー!」



走り去って行くクラスメイトの姿を見送って
自分も体育館へ向かった。











体育館へ着いたはいいが
中は静まり返り、まだ誰も来ていない様だった。


それもそうかとスポーツバックを端の方に投げ捨て
ブレザーとネクタイをその上に放る。


先輩方はまだHRのはずだし
スポーツ推薦の人達も今日は来る必要はなかったはずだ


バッシュに履き替え
隅の方に置いてあったボールで軽くアップを始める。



軽くドリブルから始め

レイアップ

ダブルクラッチ

3Pシュート



など軽く体が温まる程度にこなしていく。




「あれー?もう誰か来よるわ」



ぞろぞろと何人かの声が聞こえてきた

きっと一軍の選手達だろう
ここは一軍の体育館のはずだから。


とりあえず練習をやめて軽く汗を拭い
失礼のないよう身なりを正す。





「あ?誰だコイツ
今吉さん、なんか知らない奴いますよ」


「ほんまや。おたく誰?」



眼鏡をかけた好青年風の男と
厳つそうな声の大きい男が1番のりで入ってきた。



声の大きい男はかなり怪訝そう

むしろ睨みつけてくる様で


眼鏡の男は驚いた顔をしつつ

ポーカーフェイスは崩れない。








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