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リンゴ

第11章 過去とプール練








「よぉ、遅かったな」



「灰崎…」



そこにいたのは灰崎だった。

にやにやしながらこちらの様子を伺っているアイツが

なんの意図があってここに居るのかわからない


冷やかし?
それとも本当に灰崎が私を呼び出したの?



さやは怪訝そうな顔で灰崎を睨みつけた



灰崎とさやは仲が良いとは言えない

一方的にさやが嫌っており
灰崎も知ってか知らずか寄ってこない、はずだったのに



「何の用かしら。
もしかしてあなたが呼び出したの?」


「そうだよ。可愛いさやチャン?」


「……ふざけないで
用がないなら私帰るわよ」


「まぁまぁちょっと待てや」



終始にやにやとしている灰崎を見ていると
イラついて仕方ない

さやはイライラをかき消す様に
後ろを振り向き帰ろうとするさやの腕をバッと灰崎が掴んだ



「離しなさい」


「…前までは興味の欠片もなかったんだけどよぉ
お前変わったな?あの笑い方なんだよ」



笑いながら言うそれは気遣いなどは全くなく

それが面白いとばかりで

さやは思わずぞわっと鳥肌が立った




「…だから何だって言うのよ
結論から話しなさい」


「…じゃあそうするわ

お前を貰ってやる事にした」


「は……?」



突拍子もない発言に目を丸くするさや

何処からどうなったらそんな話になるんだ

私は虹村の彼女だぞ
何かしたらどうなるか1番わかっているのはコイツなのに


心底面白そうにニヤニヤ笑う灰崎が
何を考えて、どうしたいのかわからない


今、灰崎と一緒にいるのは危険だ

そう本能が警報を鳴らしている

さやは灰崎から逃げる様に、1歩ずつ後ずさった



「勘違いすんなよ
お前はただ俺の下で喘いで、あの顔で笑ってりゃいい」


「ちょっ…んんっ」



後ずさるさやの腕を灰崎は

強く引かれた腕にバランスを崩すと
灰崎はさやを壁に押し付け強引にキスをした


虹村じゃない唇

虹村じゃない舌

気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!


ぐいぐいと灰崎の胸を押したり足を踏んずけたりするが
全く動じない灰崎はするするとシャツの中に手を忍び込ませてきた








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