• テキストサイズ

リンゴ

第2章 桐皇学園高校







それに伴い

2種類の制服や、男子高校生に見えるよう
工夫を凝らした品々の用意


最後には



「もし君さえ良ければ
私の事も君に差し出しましょう」



なんて唐突に言うものだから

さすがのさやも少し驚いて

保留にしてもらった。





**********








「(便利な監督さんでよかったわ。
高校生活が楽しみね。)」




新入生で溢れる校門をくぐった。














入学式も終わり

クラス発表と担任挨拶を済ませ


今日は授業もなく淡々と終わった。



喉元に皮膚と同化するようにつけられている
ボイスチェンジャーのおかげもあって

疑われることもなく、一安心。




「お前紅林だよな?
なんつーかすげー美形だな!」


「そうか?
それはどうも。」


「慣れてんなー
そういえば紅林は何か部活入んのか?
俺はサッカー部に入る予定なんだけどさー」



教室で声をかけられた
クラスメイトらしい男と並んで歩く。

馴れ馴れしいこの男は
常に顔に笑みを浮かべ言葉の端々にwを付けている様だ。



「(なんか涼太に似てるなー。)」



卒業式直前に仲直りした
黄瀬を思い出す。


最後に会った時には

"もうこれ以上他に男は作らないでくださいっス!"

なんて泣きそうになっていたっけ


私が気に入って自分の男にするなんて
稀なこと。そんな事涼太だってわかっているはずだ。



来るもの選び、去るもの追わず



私の座右の銘だ。



「(涼太に、会いたいな…)」







/ 167ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp