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リンゴ

第11章 過去とプール練








康太郎は顔は悪くない

サッカーでも既にベンチ入りしているし
他のスポーツでもどれもそこそこに出来る

クラスのムードメーカーで
モテない要素は特にないのだが


本人が少しばかり天然で
女子に呼び出され

"好きです。付き合ってください"

とストレートに言われた所で


"俺も好きだぜ!どこに付き合えばいい?"

なんて検討違いのセリフを吐き捨てる



さやは苦笑いで康太郎をかわし
お弁当を広げる

昨日朝出掛ける前に用意しておいたので
このタイミングでも間に合った



「いただきます」


「いただきまーす」


さやが手を合わせると
康太郎もにこにこと手を合わせる

またひそひそと女子の声が聞こえるが無視











康太郎と他愛もない話をしながら食べ終え

休んだ分の授業内容を聞きながら
予習をこなしているとあっという間に昼休みは終わった


授業が始まるとさやは嫌味の様に
問題を当てられていくが

難なく答え、教師に苦い顔をされながらも


授業を終えた



キーンコーンカーンコーン



「っしゃあ!部活だー!」


「レギュラー入り頑張れよ」



ガッツポーズをきめる康太郎に
ごそごそと準備をしながら声をかける

今日ぐらいは早めに行って先に練習しとかないと
土日の定番ストバスも日曜日は行けてないので

本格的に体が訛りそうだ



「さやー、迎えに来たでー」


「翔一さん今行きます」



声がして教室のドアを確認すると
今吉がにこにこと手を振っていた

朝練をサボってしまったから怒っているかと思えば
きちんと連絡をしていたのが効いたのか

むしろ機嫌が良さそうだった


それにしてもどれだけ早く支度をしても
今吉が教室に来る方が早いのは何故なのだろう

走ってきている様子もないのに



「お待たせしました
朝練すいません」


「あーまあええで
ちゃんと言ってくれたしな。しゃーなしや」




2人で並んで歩く
前の様にガン見される事は減ってきたが
今吉見たさなのかチラチラと視線は感じる






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