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リンゴ

第11章 過去とプール練







笠松の家に1泊したさやは


笠松に朝早く駅まで送ってもらい


一応頑張って急ぎながら

一旦家に帰り学校に向かったが


案の定、朝練は欠席


むしろお昼休みに間に合うかどうかのレベルで。




最近ちょっと休みすぎかなと自分でも思う


今回の笠松の家は神奈川だし
ちょっと日曜日に泊まるには遠すぎた


かと言って青峰や今吉の寮に泊まることは出来ないし

ぶっちゃけ神奈川くらいだと
あんまり知り合いもいなくて安心ではある




「皆鉢合わせるとめんどくさいからな…」




ぶつぶつ呟きながら教室に入る
丁度授業が終わった辺りで先生が教室から出るタイミングと重なった。

現国教師の目にさやは入らなかったようなので
とりあえずはセーフ



「紅林ー!お前遅すぎ!」


「悪い悪い
ちょっと野暮用で」




朝から元気な康太郎はさやを見つけると
それはもうはしゃいで飛びついてくる

肩に手を回し自席に引きずり込む


さやはもう慣れた事なのかあまり気にもしないが

自分が女だとわかった時には
この手を思いっ切り振り払ってやろうと

心に決めた。



「康太郎、今日ご飯は?いっつも食堂なのに」


「今日はパンー!
最近何だかんだ紅林いないしたまには一緒にな」


「ああ…悪いな気を遣わせて」



康太郎の言葉は真意ではない

以前同じクラスの女子に告白された時から
女子達はさやを見つければ、ひそひそと何かを話し始めるのだ

これはもうため息をつくしかなく
同じ女性と分かったらもっと酷い事になりそうだと
思っていた。


康太郎の言葉が嬉しくて
いつもは鬱陶しいだけの存在も今は大切な友人の様に感じる



「そう思うならちゃんと来いよー
俺が寂しいだろ!」


「来るつもりはあるんだ
ただ色々用事が重なってな」


「なんの用事だよ!
彼女といちゃいちゃしてただけだろー」


「そうとも言う」



かぁー!俺も彼女欲しいー!

と康太郎は呻いているが
それを聞いた女子の耳がピクっと反応しているのを
本人は知らない





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