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リンゴ

第10章 笠松幸男







「ダメ、ではねぇけど…」



泊まるって事は当然風呂も入る

さやが入った風呂…

一緒に寝るのか!?同じ部屋で!?


所詮高校生男子。
邪な考えがぐるぐると渦巻きパンク寸前だ。


さやの何も気にしていない様子を見ると
自分の考えている事が馬鹿らしい気もするが

仕方ない、男なのだから。



とりあえず家に上げなければ話にならないので
扉を開け、さやを招き入れる



「お邪魔します」



さやは誰もいない家にそう声をかけると
パンプスを脱ぎ、綺麗に並べた


(なんか、ちゃんとしてんな…
言っちゃ悪いがこういう類の女って
そういうの雑にしてんのかと….)


じっとさやを見ていたのがバレたのか
さやは妖艶に笑った



「っ……部屋こっちだ」



顔を赤くしながらも見られまいと視線を逸らし
奥にある階段を上がっていく笠松


さやも自分の大きめのバックを持ちながら
後を小走りで追った



「綺麗じゃねーけど、悪ぃな」


「いえ。十分ですよ」



笠松の部屋は広くはないが
棚やクローゼットに必要なものは全て収納してあり
きちんと整理整頓されていた


棚などはやっぱりバスケ類のものが目に入る

ボールやテクニック本、バッシュなど

普段笠松がバスケを頑張っている証だ。



「あんま見んなよ。恥ずかしいだろーが」


「笠松さんらしくて素敵です」



顔色も変えずにそう言うさやに
小っ恥ずかしくなってどかっとベッドに座る笠松

さやは思わず青峰と紫原を思い出していた


青峰の部屋はグラビア本が散らばっているし

紫原は所狭しとお菓子がストックしてあった


まああの二人もらしいといえばらしいのだが
笠松の部屋と比べると汚かった


さやはふふっと思い出し笑いをしながら
笠松の隣に腰をかけた






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