第9章 日向順平
「んん!?」
「んっ…はぁっ…」
「い、いきなりなんだっ!?」
「したく、なったんです
ダメですか?」
濡れているから抱き締める事も出来ず
日向はにこりと笑うさやに戸惑った
すげー可愛いし
全然構わないんだけど
くっそ…顔熱い…
さやは日向を見つめる
「順平さん顔赤い…可愛いですね」
「かわ!?嬉しくねぇよそれ」
「ふふっそうですか
じゃあ私買ってきますね」
さやはカゴに積まれているタオルを
人数分取ると、レジへと向かっていった
「(あー、もう…やっぱり好きだ
でも、あんなライバル多い奴に言える気しねぇ…!)」
日向はもんもんとしながら、顔の熱をとる事に専念した
10分後
さやは可愛らしいキャラ物の袋を手に
店から戻ってきた
レジも中々混んでいて時間がかかってしまった
「順平さんお待たせしました」
「全然待ってねぇよ、行くぞー」
日向はさやの手から買い物袋をとると
そのままさやの手を取り、絡ませた。
所謂恋人繋ぎだ
ずんずん歩いていく日向の背中をちらりと見ると
耳まで真っ赤で
先程とは違う繋ぎ方はかなりきてるらしい
「順平さん順平さん」
「頼むから言うな」
「くすっ…わかりました」
しばらく歩くと一際目立つ身長の高い軍団が見えてきた
緑間達は何故か上半身裸で
Tシャツをベンチに広げている
「お待たせ。皆なんで脱いでるの?」
「おら、タオルだ。有難く受け取れ」
「あざっす!
いやびしょびしょだし1回絞ろうかと思ってよ」
「ありがとうございます
そしたら着る気なくなってしまって」
タオルの入った袋を火神に投げつける
火神は中からタオルを出し全員に配っていく
緑間や高尾も日向にお礼を言いながら
頭や体を拭いていく