第2章 桐皇学園高校
春になり入学式シーズン到来。
例に漏れずさやも入学式に向かう為
通学路を1人歩いていた。
青っぽいグレーのブレザーが以外にも
似合っている気がしてる…
スラッとしたパンツもなかなか
貰った同じ髪色の短髪ウィッグも
特注で作ったと言ってた様に激しく動いても
これなら大丈夫だろう
さやは男子バスケ部監督徹底サポートの元
男子高校生として桐皇学園高校に入学する。
半年の期限つきではあるが。
*
全中が終わって部活も引退し
いい加減決めろと担任にせっつかれ
ようやく重い腰を上げ
たくさんの推薦先から進学先を吟味している中
昼休み始まったばかりのタイミングで
"紅林さや、至急進路指導室に来る事。"
と、校内放送で呼び出されてしまった。
「さやー、なんかしたのー?」
「呼び出しとかうけるわーどんまい」
「まったく、他人事だと思って…
ちょっと行ってくるわ。」
お昼を一緒にしようと集まっていた女友達に
別れをつげ、お弁当もそのままに
さやは進路指導室へ向かった。
今日は彼氏達から離れて
久しぶりに女の子達と気兼ねなく
お昼を共にするつもりだったのに
「(私の予定を狂わせて…。
一体何の話かしら。)」
ガラガラガラ --------
「失礼します。
お呼びでしょうか?」
最近来ることが多くなってしまった進路指導室
入るとそこにはいつもの担任と
見た事のない大人の雰囲気の男性がいた。
「さや呼び出してすまなかったな
こちら桐皇学園高校男子バスケ部監督の原澤先生」
「(男子バスケ部ねぇ…)」
「どうも。いやわざわざすまないね」
「いえ、お気になさらず
紅林です。」
さやが担任の隣原澤先生の正面に腰をかけると
じゃあ後はよろしくお願いします
と担任は部屋を出てしまった。