• テキストサイズ

【ダンガンロンパ】撃ち込め、恋の弾丸!【短編集】

第3章 恋のキューピッドはノート様!?【狛枝凪斗】


「あ、これ?実は課題が終わった後、何だか小腹が空いちゃってね。レストランで空腹を満たして外に出たら、慌てた様子で自分のコテージに向かうさんを目撃したから気になっちゃって。追いかけようとしたまではよかったんだけど、その後何故かバランスを崩してそのままプールにドボンしちゃったんだ」

あはは、と笑いながら言われた言葉に唖然とする。笑い事ではない気がするけど、どうやらそう感じているのは私だけらしい。

「本当はちゃんと拭いてからさんの所に行こうと思ったんだけど、あまりの慌てように何かあったのかなって思ったら居ても立っても居られないくてそのまま来たんだけど……」

狛枝くんはそこで言葉を切ると、視線を自分の足元に向ける。つられて私もそちらに目を向けると、彼の立っている場所に小さな水溜りが出来ていた。

「やっぱり、ちゃんと拭いてくるべきだったね…。ボクなんかのせいで、キミのコテージが汚れちゃった……」

そう言いながら顔を上げた狛枝くんの顔は、申し訳なさそうな笑顔に変わっていた。
その言葉と表情に、私はハッと我に返り急いでタンスからタオルを取って戻る。そして狛枝くんに座るよう促すと、彼は困惑しながらも言う通りに座ってくれた。そこにすかさず頭からタオルを被せたら、狛枝くんから驚きの声が上がった。

「さん!?ど、どうしたの!?」
「どうしたのって、拭くんだよ!このままだと、狛枝くんが風邪引いちゃうでしょ!」
「え……」

タオルでわしゃわしゃと頭を拭きながら言えば、狛枝くんはピタリと動きを止めて静かになった。それをいい事に続けていると、彼がポツリと呟く。

「怒らないの……?」
「え?どうして怒るの?」
「……だって、ボクはキミのコテージを汚したのに……」
「何だそんな事。コテージなんて掃除すればいいだけだし、今は狛枝くんが風邪引かないか心配だよ」
「!」
「……それに、狛枝くんがこうなったのは私にも非があるみたいだし……」

狛枝くんの話を聞く限り、彼は慌てた様子の私を見て心配になって追いかけてくれたらしい。……あの時の自分を見られていた事に恥ずかしさを覚えるけど、それ以上に申し訳なさでいっぱいだった。
/ 41ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp