第10章 まったり休日
ティアナはベルにおすすめのカフェに案内してもらった。
前にベルが街を歩いていた時に見つけたらしい。
こじんまりとしてアットホームな雰囲気だ。
「店内も可愛いね」
「そうでしょ?食べ物もおいしいんだよ」
席について早速注文をする。
二人ともお腹がすいていたから軽食を頼んだ。
ごはんを待っている間、二人で他愛もない話をする。
「それにしても、壁外調査前にうまく調整日を入れてくるのは
ありがたいのかありがたくないのか...って感じだよ」
「確かに。これが最後になるかもしれないとすれば、悔いのない
ようにするためにってなるけど。でもそれなら生存率を上げるために
訓練した方が...とも思うしね」
実際、ティアナもいままでは調整日も人に見つからないよう
訓練していたわけだし。
でもこうしてベルという親友ができれば、思い出作りも悪くない、
と思う。
「ねぇ、ティアナ。まだ私あのこと聞いてないんだけど」
ティアナが自分の思考に沈んでいれば、不意にベルが爆弾を
落としてくる。
ベルの言う「あのこと」とは、リヴァイに呼び止められたあの夜の
ことだ。