• テキストサイズ

【進撃の巨人/リヴァイ】心の氷が溶けるまで。

第9章 リヴァイとの個人訓練




これ以上沈黙が続くなら逃げてしまおうか、なんてティアナが思った
とき、リヴァイがようやく口を開いた。


「…その、なんだ。…大丈夫か?」

「はい、平気です。何も無かったわけだし、こっちが罠にかけ…わっ」


言いかけてる途中で急にリヴァイに抱き寄せられた。


「嘘は良くねぇ。…お前、震えてるじゃねぇか」


心配そうに言われて、ティアナは自分が震えていることに初めて
気が付いた。自分では怖くないと思っていたはずなのに。
リヴァイに抱きしめられてさっきより緊張したけど、反面安心している
ティアナもいた。


「お前はよくやった。…もちろんベルもな。だが、ティアナは
何でもかんでも一人で危険を背負いすぎだ」

「…そんなこと、ないですよ」


返した声は驚くほど小さかった。
ティアナ自身も自分以外が危険にさらされないように、と
考えていたのだ。
けれど、それは当たり前ではないだろうか?大切な人が危険な
目に合うなら、自分がすべての危険を負えばいい。


「もし、ティアナの技術をもってしてもあいつらを倒せなかったら?
無理やりにでも襲われたら?…可能性はないわけじゃない」

「……」

「…なんで俺を頼らなかった?」


リヴァイは絞り出すような声で言う。普段の彼からは想像できない
姿に驚く。ティアナは何も言えないでいると、リヴァイは
抱きしめていた腕をそっと緩めた。


「すまねぇ。部屋まで送ってく」


体の震えは、いつの間にか収まっていた。

/ 156ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp