第9章 リヴァイとの個人訓練
ベルはちょっとからかうように話し出す。
「ティアナを助けるんだから、もちろん兵長を呼びに
行ったんだけど」
「…なんで兵長が出てくるのかが分からない…」
「まぁまぁ。結局部屋に行ってもいなかったから、近くにいた人に
頼んでここに来るよう伝えてもらった」
「じゃあ一人で来たの!?」
正直、ティアナは兵長云々よりそっちの方が問題だ。
もしベルに何かあったら…と思うと恐ろしい。
「大丈夫、何もなかったし。てか誰もいなかったから、多分
ドロシーが手をまわしたんだろうね」
呑気に笑うベルにもっと危機感を持って、と思いふいに気付く。
ベルもティアナに対しきっと同じ気持ちだったのだ、と。
「おい、そこにいるのはティアナとベルか?」
『はい』
聞こえてきた声からリヴァイだと分かる。
だけど聞こえる足音の数からして、どうもリヴァイ一人で来たわけ
ではないらしい。
二人...いや、三人。
光が当たる場所まで近づいてきてくれて、ようやく姿が露になった。