第8章 訓練に訓練、そしてちょっとの甘さ
入って来たのはエルヴィンとリヴァイだ。
二人ともここに姿を現すのは頻繁ではないからティアナは少し驚く。
エルヴィンはみんなが耳を傾けているのを確認すると口を開いた。
「みんなに知らせがある。次の壁外調査が決まった。日時は…
一か月後、新兵たちも参加してもらう」
その言葉を聞いてやはり噂は本当だったのかと思うのと同時に、
さっきとは打って変わって真剣な表情になる兵士たちに気付く。
新兵含むまだ経験の浅い兵士は、怖さを隠しきれていないものもいた。
壁外調査はまだ一ヶ月後なのに、今からそんなんで大丈夫なのかと
心配になる。
ティアナは先ほどベルと丁度その話をしていたし、
誓い合ったのでそれほど怯えている訳ではなかった。
それはベルも同じだったようで、隣で平然としてる。
「今日からの訓練は今まで以上に集中して取り組んでくれ」
「はっ!!」
兵士全員が威勢のいい声を出すと、エルヴィンは満足そうに
表情を緩めて去っていった。
リヴァイもその後続いたが、背を向ける前に一瞬だけティアナと
目が合った気がした。