第8章 訓練に訓練、そしてちょっとの甘さ
ハンジに伝言を頼んでから3日が過ぎた。
その間何の音沙汰もなく、というよりそもそもハンジもリヴァイも
見かけない。
不思議に思って隣でパンを食べているベルに聞く。
「ねぇ、ベル。最近幹部の人たち見かけないよね?」
「ん~。噂では、壁外調査に関係してるって言われてるけど」
ベルはパンをきちんと飲み込んでから教えてくれる。
確かにティアナたち新兵が入ってから3ヶ月以上過ぎた。
そろそろ壁外調査の日程が決まってもおかしくないだろう。
「ベルはどう思う?」
「私も信憑性は高いと思う。時期的にね。だからティアナが
頼んだからとか余計なことは考えなくていいよ」
ばれてた。さすがベルには敵わない。
いつも励ましてもらってばかりで申し訳なく思う。
いつか絶対に何かでお礼しようと決意した。
そのためにも。
「ありがと。…ベル、生きてね」
「あたりまえよ。ティアナも、ね」
「うん」
真剣に誓い合うけど、そのあとはなんだかお互い照れ臭く
なってしまった。
だがそんな空気が続く前に、食堂のドアが開いた。
ティアナを含め、食事をしていた兵士みんながその手を止めて
入ってきた人物を見つめた。