• テキストサイズ

【進撃の巨人/リヴァイ】心の氷が溶けるまで。

第2章 その日の記憶




何が何だか分からないまま、とにかく家へと急いで向かう。

ティアナが住む小さな集落に着いてみれば、大きな石が飛ばされて来ていて、そして地面が血だらけなことに気づいた。


「ひっ……!」


ある岩のすぐ近くには靴だけが放り出されていて、誰かが岩の下敷きになっていることが察せられた。
市街地から遠くない集落とはいえ、小さなところだ。岩の下の人物はきっと、ティアナの知り合いだろう。

ティアナは悲鳴を飲み込むと、一瞬止めた足を動かす。

何が起きっているのかなんて後回しだ。
とにかく母の無事を確認しなければ。


そして、ようやくたどり着いた家。

…大きな岩の塊が、家を押しつぶしていた。


「お母さん!!」

「ティアナ……?」

「……っ!」


声がしたほうは、かつて台所があったところだ。
急いでそちらへ回ると、材木につぶされた母がいた。


「今助けるから!!」

「ティアナ、よく聞いて。仮にお母さんがここから出られても、この状態じゃ走れない」

「だから何!?私が背負えばいいじゃない」


話しながらも手は休めない。


「無理よ。ティアナ、よく聞きなさい。シガンシナの門が破壊されたの。その内外の巨人がここにもやってくる!村の動ける人達はもう行ったわ。ティアナも内門を目指して早く逃げて!!」

「嫌!!私はお母さんと一緒に行く!」

「あなたは賢いから、分かるでしょ。……お願いだから、早く逃げて」


母が懇願するように言った直後、ドシン、ドシンと地面が揺れた。
ついに巨人がここまで来たのだ。
不気味な顔をして、にまぁっと笑ってる。


「ティアナ、お願い行って!!早く!」

「嫌!!お母さん早く出て!」

「ティアナ!!」


もうすぐそこまで巨人が来ていた。
時間が、無かった。

/ 156ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp