第2章 その日の記憶
ドォォォン……!!!
突然大きな音がして、一瞬空が眩しく光る。
少し遅れて、地面に衝撃が走った。
「きゃぁぁぁ!」
その衝撃で軽く吹っ飛ばされたティアナは、しかし地面が柔らかかったおかげで怪我はしなかった。
「何…?雷、それとも爆発?」
少しの間放心していたティアナだったが、ふと我に返り走り出す。
「みんな、ごめん!全力で帰り道案内してほしい」
動物たちはわかっているとでもいうようにいななくと、大型の動物を中心に走り出す。
それを追いかけて、ティアナもまた走り出した。
――お母さん、お父さん!二人ともどうか無事でいて!
ティアナは祈る。
しかし、とてつもなく嫌な予感がするのも事実。
逸る気持ちを抑え、着実に一歩ずつ踏み出す。
「あっ…!」
転んでしまった。
擦りむいたところがジンジンして痛いけど、今はそんなことにかまっている余裕はない。
心配そうにティアナを囲む動物たちだったが、みんなを安心させるように頷いて立ち上がり、そして再び走り出す。
ようやく見えた森の入り口。
そこから見えた光景は、地獄だった。