第8章 訓練に訓練、そしてちょっとの甘さ
…速い。そして無駄がない。
リヴァイが飛び始めて驚愕した。
正直、ティアナはリヴァイをなめてた。
ここまですごいなんて…
だてに人類最強の名を背負ってないのだと、初めて実感した。
尊敬するとともに、やる気が湧き上がってくる。
あそこまで到達したいと。
そしてティアナは出来るだろうという自信があった。
「おーい、ティアナ。こんな感じか?」
「…!…まだだめ」
マルクに話しかけられて我に返る。
訓練に集中しようと意識して、ある一つのことを決心した。
「…カイ、自主練してる?前と変わってない」
「ティアナ、そんなすぐに変わらないよ」
「…一か月後も同じだったら怒る」
「オーケー」
少しずつ訓練を通してマルクやカイ、班のメンバーと打ち解けてきた。それもベルのおかげだと、心の中で感謝する。
まぁ、まだ訓練以外では話さないけれど。
一人で訓練するのも好きだけど、仲間と訓練するのもかけがえのない
ものだって思うようになった。
「今度はティアナが飛んで」
「…うん」
宙に飛ぶと、いつも気分が高揚する。
巨人を殺すための道具。それでしかないのに、だけどそれが
人間に飛ぶ技術を与えている。
不可能を、可能にしている。
それがティアナの心を浮き立たせていた。