第8章 訓練に訓練、そしてちょっとの甘さ
少しの間話していると、小さいがよく通る声が聞こえる。
「…すみません。失礼を承知で申し上げますが、まだでしょうか?
みなさんも困っています」
ティアナだった。
話題の人物に言われて、リヴァイ達はちょっと気まずい。
怖いもの知らずだと、その場にいた全員が思っていた。
「あぁ、すまない。各自練習していてくれるかな」
「…了解です」
ナナバの指示で全体が動き始める。
ティアナは同期の新兵らに細かくアドバイスをしている
ようだった。
「それで」
「断る。この話はなかったことにする」
「えぇーいい案だと思ったのに」
こちらも決着をつけて、さっさと訓練に入ろうと体の向きを変える。
「ハンジ、諦めて私たちも行くよ。モブリットが呼んでる」
「分かった。……リヴァイ、後悔しても知らないよ」
最後の言葉は、リヴァイだけに聞こえるように発せられた。
どういう意味だ...?
ハンジはリヴァイに謎だけ残して去っていった…