第7章 初めての友達
・*・
だいぶ傾いた陽の光が窓から差し込む夕方の執務室。
訓練も終わり、執務に取り掛かり始めたとき、ノックが聞こえた。
また追加の書類か...と憂鬱になる。
「入ってくれ」
「…失礼します」
聞きなれない声。しかし最近聞いたような気もして…
ティアナの姿を見て納得した。
「どうした」
「…お詫びとお礼を申し上げたくて」
「お詫びはまぁ分かるとして、礼をされることはしてねぇと
思うが」
お詫びはきっと一晩寝かせてっやたことだろうが、
礼に関しては全く心当たりがない。
「…先日、私が悩んでいた時にアドバイスしてくれました」
そういわれて思い出す。
あの日、リヴァイは水を飲みに食堂へ行った。そうしたら異様に
どんよりとした雰囲気で、何事かと思ったらティアナがいたと
いうわけだ。
声はかけたが、励ますつもりはなかった。
それをわざわざお礼しに来るとは。
「…兵長が紅茶好きだと聞きましたので、私がおすすめする銘柄を持ってきました」
「…そうか、ご苦労だった」
リヴァイは確かに紅茶が好きだが、その分こだわりがある。
その上で選んだという銘柄。興味を抱く。
「せっかくだから、飲んでくか」
「……ありがたく頂戴いたします」
しばしの黙考の後、了承された。