第7章 初めての友達
緊張が沈黙を呼ぶ。だけど、リヴァイが言ってくれたように
後悔しないほうを選びたいから。
「…昨日は、ごめん。私を救おうとしてくれたこと、嬉しかった」
「…そっか」
「…ベルは頼りなくもないし、友達に…なりたいと、思う」
一日考えた。でもそんな必要なくて、答えはすぐそこにあった。
「…でもね、怖いの。友達として仲良くして、失うのが」
「失うのが怖くない人なんて、いないと思う。私はすでにティアナを
失うのは怖いよ。でも今は生きてる。それが大事だと思うんだ」
「…うん」
「私はティアナで笑いたいし、ティアナも私で笑顔に
なってほしい。友達として」
ベルの想いは素直で、真っ直ぐティアナの心に届く。
「…私もそう思うよ。…ベル、よろしくね」
「こちらこそよろしく」
ティアナは3年ぶりに、少し強張った筋肉で笑った。
「そういえば初めて名前呼んでくれたね」
「そうだっけ?」
「うん。嬉しい」
ベルがあまりにも幸せそうに笑うから。
これからはたくさん呼ぼうと、心に決めた。