第7章 初めての友達
ティアナは急いでいた。
ベルはまだ起きているだろうか。明日でいいのかもしれないが、
ティアナは今話したかった。
リヴァイの言葉が蘇る。
『何に悩んでそんな辛気くせぇ顔してるのか知らんが』
『後悔しないほうを選べ』
その言葉にハッとして思わず駆け出してしまった。
お礼も言いそびれたし、相当失礼なことをした自覚はあるけど、
曲がり角で見たリヴァイの眉間のしわがほとんどなかったから
大丈夫だと思う。
「ベル!まだ起きてる?」
勢いよく入ってベルを見つける。丁度ベルがドアを開けようと
していたみたいで、扉の先で驚いていた。
「どうして、」
「ベルと話したくて。…どこか行く途中なら止めないけど」
「ううん。私もティアナと話したくて探そうと思ったところ
だったの」
同じこと考えていたことがなんだか嬉しい。
入れ違いにならなかったのは、完全にリヴァイのおかげかだろう。
今度会ったらとにかくお礼を言おうと決める。
「とりあえず、座ろっか」
向き合うような形で対に置いてあるベットに腰かける。
勢いでいたはいいけど、ちょっと緊張してきたティアナ。