第7章 初めての友達
確かにティアナの髪の毛は美しかった。
色素の薄いミルクティー色の艶々した髪。
それはブラウンの瞳とよくマッチしていて、
感情のこもらない目も、まるで美しい人形の様だった。
「…別に、切ってもすぐ伸びます」
「そうゆう問題じゃなくて…てか、鏡も見ないで
どう切ろうとしたの?」
「…感覚で」
ティアナの返答にびっくりするベル。
適当に切ろうとしたのはちょっと、ティアナもどうかと
今更ながらに思うが。
「…あなたがそれほど止めるのなら、切るのはやめましょう」
「ほんと?」
まぁ、でも、ベルの言うとおりにしたのはただの気分だ。
別に長くても結えばとりあえずは大丈夫だし。
…面倒だけど。
「あのさ、今更だけど、お互い自己紹介しない?」
「…確かに、まともに話したの初めてですね」
「そうそう!まずは私から」
本来はもっと前に交わされるはずの会話。
ティアナは無感動に聞き、事務的に話す。
「さっきも言ったけど、名前はベル・ラ―ザン。18歳です。
ちなみに実家は床屋です」
「…ティアナ・ローエ、17歳。以上」
「え、年下だったんだ!大人っぽいから同い年かと」
ベルはそういったが、別にティアナは大人っぽいわけではない。
常に無表情で、感情がわからないが故であった。