第7章 初めての友達
ティアナは近頃の訓練で、自分のこの長い髪を鬱陶しく思っていた。
一応髪は結んでいるが、長すぎても邪魔なだけだ。
…特に立体機動の時に。
「ふぅ...」
部屋には誰もおらず、気にせず髪を切れそうだ。
そして鋏を取出し、床に紙を引いていざ髪を切ろうとした。
「あぁぁだめぇぇぇ!!」
…が、それは叶わず、突然の乱入者によって鋏を
取り上げられた。
その乱入者はじっとティアナに見られていることに気づくと
慌てて話し始めた。
「急にごめんなさい!
私もこの部屋のベル・ラーザンって言います」
ようやく会えたティアナの同室の兵士。
それだけ説明してハサミをしまおうとするベル。
「…私は髪切りたいのですが」
感情のない声でティアナは言う。
その言葉ではっとしてベルは動きを止める。
「駄目だよ、切っちゃ。そんなに綺麗な髪なのに」
ベルは目を細めてティアナの髪を見る。