第6章 縮まる距離
せめて部屋まで起きていてほしかったが、
過ぎたことは言っても仕方がない。
それよりも。
「これからは二度と無いようにしろよ。俺が毎回通りかかるとは
限らねぇんだから」
「?…はい」
ティアナはリヴァイの言葉の意味をいまいち理解していなさそう
だったが、本人もこんなことは二度とごめんだと思ったらしく
しっかりと頷いた。
・・・
「…大変お世話になりました。…あと忘れていましたが、
おはようございます、です。では」
謎の挨拶と共にティアナは部屋を去っていった。
しかもおはようございます、って起きてから30分も経って
いるのに。
「…変な奴、」
リヴァイはフッと軽く笑うと、自室に鍵をかけて執務室へと
向かった。
何故だか今日は、いつもよりも執務がはかどりそうな気がした。