第6章 縮まる距離
お風呂から出ると、ベットに腰かけてティアナの寝顔を見る。
起きている時よりも随分と印象が違った。
昨日感じた冷たい雰囲気が全くなく、硬い表情だったのが今は
むしろ穏やかだ。
寝ているからと言えばそれまでなのだが、リヴァイはどうもそれだけではない気がしていた。
何かに引かれるようにティアナの髪に触れる。
見た目以上にさわり心地が良い。
なぜこんなにティアナのことが気になるのか、エルヴィンが気にかけているからリヴァイも気になるのか、さっぱりわからなかった。
ただ一つ分かるのは、ティアナのことを何も知らないということ。
話したのは一度きり、しかも伝言を伝えただけ。
どんな性格なのかも、実力のほども、全て知らない。
そんな状態のうちは考えるのは後だ、と結論付けた。
・・・
何か甘い香りに包まれてリヴァイは目を覚ました。
自身を確認すると、ティアナを背中から抱きしめている。
甘い香りの正体はティアナだ。
どうやらこの体制で一晩眠っていたようだった。
ティアナは相変わらずぐっすり眠っていた。