第5章 所属班発表と、奇行種との遭遇
訓練が終わり、ティアナはエルヴィンの部屋に向かっていた。
何かやらかしたのかと気が気でなく、お腹が痛いティアナだった。
―コンコン
「…ティアナです」
「入ってくれ」
緊張しながらドアを開ける。
昨日の今日でここに来ることになるとは…
「疲れているところすまない」
「…大丈夫ですが…あの、私何かしましたか?」
「いや、注意したくて呼んだわけじゃないよ」
じゃあなぜ?見えない話に混乱する。
エルヴィンは穏やかな表情だ。怒っているようでも、
深刻そうなわけでもない。
まぁ深刻な話なんて、新兵であるティアナに話すわけも
ないのだけれど。
「私がただティアナと話したくて呼んだと言ったら、呆れるかい?」
「…いえ、そんなことは」
「よかった、安心した」
本当に安心したように微笑むものだから、
ティアナは思わずドキッとした。
「昨日は私ばかりが話してしまったから、ティアナの話も聞きたいと
思って呼んでしまった」
「…団長が楽しめる話なんてないですよ」
「私が聞きたいだけだからそういう気遣いは無用だ」
「……はい」
さっきここへ向かっていた時とは別の意味でお腹が痛くなる
ティアナだった。