第5章 所属班発表と、奇行種との遭遇
ハンジはティアナの元へすっ飛んでくる。
「昨日はモブリットのせいで話せなかったからさ」
「俺のせいですか...」
ハンジの後をついてきたモブリットは小声でなんか言っていた。
「…ハンジ分隊長、ずっと疑問に思っていることがあるのですが」
「うんうん、何かな?」
「…なぜ私と話したいのでしょうか?」
ハンジがここまでティアナに関わる理由が見えない。
班も違って、何も接点がないはずなのに。
「ただ話したいから…だと納得がいかないだろうから、そうだな」
ハンジはティアナの視線を受け、慌てて付け足す。
「君がずば抜けて優秀だと聞いて興味がわいたから、かな」
「…興味、ですか」
「そう。君は優秀で一匹狼で、調査兵団を選択したから」
先ほどとは打って変わって真面目に話すハンジ。
分かるようなわからないような理由だが、本当のことなのだろう。
「そんなことより普通に仲よくしたいんだけどな」
「…そうですか」
「くぅ~!いいね、そのクールっぷり」
謎の反応に困っていると、ナナバが間に入ってくれた。
「ハンジ、そろそろ始めないと。ティアナ、列に戻って」
「…了解です」
グダグダ感が否めない初日だが、なんとか訓練が始まった。