第5章 所属班発表と、奇行種との遭遇
「…今日は私が紅茶を淹れさていただきます」
「そこの棚に全部入っているから」
「…分かりました」
早速紅茶の準備に取り掛かる。
母が紅茶好きで、幼い頃から手伝っていたティアナは
美味しい紅茶を淹れる自信があった。
「…どうぞ」
「ありがとう」
机にはいつの間にか茶菓子が用意してあったけど、
それよりもエルヴィンの反応が気になって飲むところをじっと
見つめてしまう。
「そんなに見つめられると恥ずかしいな」
「…すみません」
エルヴィンから目をそらすけど、やはりちらっと見てしまう。
「おいしいよ。ありがとう」
「…よかったです」
ほっと胸をなでおろす。
一兵団の団長とあろう方に出すなんて、当たり前だが初めての
ことで心臓が飛び出ると思った。
だけど褒めてもらえて気分が高揚した。
しかしティアナにはまだ任務が残っている。
・・・
口下手で緊張するティアナを気遣ってか、エルヴィンはうまく
質問を挟んで話しやすくしてくれた。
途中から緊張も少し和らいで、楽しい時間を過ごせたのは
良かったのだが。
…眠い。
そう、ティアナはそろそろ限界だった。
元々ちゃんと寝ないと翌日に祟る体質で、
今日も気力と緊張とで何とか持っていたのだ。