第2章 その日の記憶
森の生き物はいつだってティアナの友達だった。
子どもが少ないシガンシナでは同世代の子供も少なく、ティアナもまた例外ではない。
そして森の近くに住んでいたため、自然と植物、動物などが話し相手となったのである。
森へ入ると、いつものように小動物たちが木をつたって迎えに来てくれる。
「みんな、今日も遊びに来たよ」
ティアナの声にこたえて動物たちもそれぞれの鳴き声を上げた。
すると、ひときわ小さいリスがティアナの服を噛んで引っ張る。
「どうしたの、服は引っ張っちゃだめだよ」
困ったように笑いながらそのリスを撫でる。
それでもリスは服を離さず、さらには他のリスたちも同じように服を引っ張り始めた。
「分かった!何か見つけたんだ?」
その様子で察したティアナにリスたちは嬉しそうに声を上げる。
リスたちに連れられて進んでいくティアナ。他の動物たちもぞろぞろとそのあとをついていった。
しばらく歩いてから(その様子は大名行列のようであった)、みんなが止まった。
足元に気を付けて歩いていたティアナは、動物たちが止まったことで顔を上げた。
そして目に入った光景は、