第5章 所属班発表と、奇行種との遭遇
新兵は先ほど読まれた自分の班へ移動する。
ティアナもナナバの元へ向かった。
「さっきもしたけど、一応この班で自己紹介しよう」
ナナバの声がかっこよくて聞き惚れるティアナ。
順番に自己紹介をしていく。
「…ティアナ・ローエです。…よろしくお願いします」
ティアナの自己紹介が一番短かった。
ナナバ班の新兵はティアナのほかに二人いた。
マルク・プッヘルトとカイ・バルツァー、両名とも男。
マルクはがっしりとした大きな体、カイはひょろっとしていて細い。
見た目は全然違うけど親友らしい。(本人談)
「明日からこのメンバーで頑張ろう。早速、明日の訓練なんだけど」
班での打ち合わせが終わって、後は迷惑かけなければ好きに
行動していいと言われ解散した。
が、ティアナは友人もおらず、用事もなかったので
その場に座ったままだった。
他の班員はどこかへ行ってしまい、ナナバと二人っきりになる。
「ティアナはいかなくていいの?」
「…お気遣い感謝します。…友人もいないので大丈夫です」
「じゃあ私の相手してくれると嬉しいな」
「…私でよければ」
ナナバはティアナを終始気遣って話してくれていた。
ティアナはありがたくも申し訳なさでいっぱいだった。