第5章 所属班発表と、奇行種との遭遇
―スンスン
なんか匂いをかがれた、と思ったら後ろで鼻で笑われる気配がした。
「…何でしょうか」
「あーごめんね。彼はミケ、こうやって人の匂いを嗅いで…
鼻で笑うのが趣味なんだ」
本人じゃなくナナバが説明してくれた。しかもミケはすぐに
どっかへ行ってしまった。
「あっけにとられた顔してる、ティアナ」
「…すみません」
「謝ることじゃないよ。…ミケ、あんな癖があるからちょっとあれ
だけど強いし、いい人だから」
ナナバは優しく語って、そこからはともに戦火をくぐり抜けてきた
仲間への信頼と敬意が感じられた。
―ドサッ
急に何か音がしたと思ったら、ティアナの隣に人が
座っていた。
このメガネはもしかしなくてもハンジだ。
「ヤッホー、ティアナだよね」
「…そうですが」
「ずっと話してみたかったんだよねー。調査兵になってくれて
嬉しいよ」
「…はぁ、そうですか」
相変わらずハイテンションでティアナはついていけてない。
講義を聞くのと実際話すのでは勝手が違うのだ。
「ハンジ、ティアナが困ってるよ」
「分隊長!!なにしてるんですか!」
ナナバがハンジをたしなめた直後、こちらも講義以来の
モブリットがハンジを捕まえに来た。