第4章 卒業、そして入団
晴れて調査兵となったティアナたちは本部へと向かっていた。
これからの住処だ。
移動は訓練兵の時の愛馬、ミッドナイトだ。
壁外では馬の力なしに生きてはいられない。
そのため乗りなれた愛馬を連れていく、というわけだ。
ミッドナイトとは訓練兵時代より相性抜群で、
3年間共に過ごした今では親友となっていた。
本部に着くと、門で数人の調査兵が待っていた。
「みんなご苦労様。厩舎の準備は出来てるから、ついてきてくれ」
新兵たちが下車して厩舎に向かう。
既に水、飼い葉などが用意されていた。
ティアナはミッドナイトを馬房にいれて世話をする。
全員が片付け終わると玄関で調査兵が待っていて、
兵服を配る準備をしていた。
「ティアナ・ローエです。よろしくお願いします」
「えぇ、こちらこそよろしく」
ティアナの番となり、目の前にいた女兵士に挨拶をする。
そして渡された兵服。調査兵団の象徴である自由の翼が
見えるように畳まれていた。
「部屋は15号室。女子棟は右側だからね、忘れないで」
ティアナは注意と共に示された方へ歩く。
ちゃんと右に曲がり、15と書かれた部屋の前に着いた。
一応ノックをしてみたが反応はなく、どうやら誰も
居ないようだった。