第4章 卒業、そして入団
「ほかの兵団への希望者は解散してくれ。以上だ」
エルヴィンの話を恐れた兵士は、次々とこの場を去っていく。
ついには、元の十分の一ほどの兵士のみとなった。
「それでは今、ここにいる者を新たな調査兵団として迎い入れる!
これが本物の敬礼だ」
「心臓を捧げよ!」
「はっ!!」
どの兵士も恐怖に顔を歪めている。泣いている者さえいた。
ティアナはそれでも、無表情を貫いたままだった。
「よく恐怖に耐えてくれた。君たちは勇敢な兵士だ」
「…心より尊敬する」
先ほどより柔らかい表情になったエルヴィンは、
この場にいる兵士に最大の誉め言葉となる言葉を掛けた。
ティアナはただ、真っすぐに前を見ていた...