第4章 卒業、そして入団
―解散式の夜―
兵団選択の時がやって来る。
第102期訓練兵は212名が卒業にこぎつけた。
「心臓を捧げよ!!」
「はっ」
212人は一斉に敬礼のポーズをする。
「本日をもって訓練兵を卒業する諸君らには3つの選択肢が
与えられる」
「駐屯兵団か調査兵団、そして憲兵団だ」
「無論憲兵団を希望できるのは成績上位10名だけだ」
先ほどの発表で、ティアナは一位での卒業が決まった。
だがティアナの気持ちは変わらない。
昨日決めたのだ。調査兵団に入る、と。
あの屈辱も、怒りも、決意も。
全て思い出したから。
怖くて感情と共に蓋をしたあの日の記憶。
一気に溢れてきたそれは、ティアナの決断を助けた。
否、思い出させた。
もう止まらない。忘れもしない。
今の人類は、ティアナは無力じゃない。
自分の手で巨人どもに母の仇を打つのだ。
ティアナの心は燃え上がった。