第4章 卒業、そして入団
あのハンジの演説から3ヶ月。
訓練兵団の卒業が明日に迫っていた。
他のみんなは浮かれて食堂でバカ騒ぎしてる。
ティアナはそれに加わる気にならず、一人で部屋へ戻っていた。
3年間使ったこのベットも今日で最後。
そう思うと卒業がより身近に感じられて困った。
何せ、結局まだ兵団を決めていない。
ティアナはこの訓練兵という地位が一番好きだった。
間違っても腐った憲兵団なんぞ入りたくないし、
駐屯兵団で民間人を守るとかガラじゃない。
そうすると調査兵団しかないのだが、命をかけてまで壁外に
行きたいかというと微妙なところだ。
そんなティアナが入団したところで迷惑なだけだろうと思う。
「はぁ…」
どうしても選べなくてため息をつく。
同じことをもう何回も考えいて、結局堂々巡りなだけだった。
ふいにお母さんの最後が蘇る。
そして思い出す。
あの日呪った自分の無力さを。
巨人への憎しみを。
自由を求めたあの思いを。
そうすれば自然と思いは固まった。