第3章 孤高の天才
机に伏せたまま完全に熟睡していたティアナは、
何やら騒がしい音で目を覚ました。
どうやら周りのみんなも困惑しているようで、
講義を寝過ごしたわけじゃないと安心するティアナ。
「おい!なぜ貴様がここにいるんだ?」
「だから、エルヴィンがこれなくなったから私が代わりに来た」
「ならモブリットだけで十分だろう!」
「モブリットの上官はこの私だ」
廊下で怒鳴るシャーディス教官と見知らぬ誰かの声。
エルヴィンが来れないと分かって呆然とする女子勢。
急に扉がバンッと勢いよく開くと、メガネの人ともう一人、
そして教官が入ってきた。
「貴様!せめて時間を守れ!」
「はいはい」
「ぶ、分隊長…」
教官はまだ怒っていたが、メガネの人がティアナたちに向き直り話始めると出ていった。
「やぁ、みんな!私はハンジ・ゾエ。今日はエルヴィンが急用で来れない代わりに来たよ」
「分隊長…ほどほどにしてくださいよ」
「分かってるよ」
こうしてハンジの独壇場が始まった。