第3章 孤高の天才
終わったのは当初の予定の1時間をとおに越した
4時間後の話だった。
ハンジはそれでも話を続けようとしたため、モブリットが
無理やり引きずって連れ去っていった。
教室内の生存者はごくわずかで、ティアナはその中の一人だ。
周りは熟睡して友達に起こされているものや
まだぼんやりとしてる人が多かった。
ティアナもはじめはハンジの騒がしさにシャットアウト
して寝ようかと思ったが、話の内容が興味深くて
聞き入ってしまった。
他にちゃんと聞いていた人が居たかは不明だ。
各自部屋にぞろぞろと戻っていく中、ティアナは座ったまま。
ようやくティアナもちゃんと兵団選択に意識を向けたのだ。
そしてティアナは思う。この訓練兵団は心地いいと。
練習が仕事の代わりで、ただただ自分を高めることができる。
それはティアナにとって一番理想的だった。
「…どうしよう」
誰もいなくなった教室でそう独り言ちながらティアナは悩んだ。